遺言のすすめ
何となく気にはなるけれど、、、口に出しては言いにくい、、、 事実、亡くなった後の話や遺言の話は、デリケートな話題ではあります。 けれど、早い遅いの差こそあれ、誰にも「そのとき」は、いつか必ずやってきます。 全く対策を講じなかったために、取り返しのつかないことになったり、とんでもない苦労をすることがないように、ここでは、 知っておいて損はない、遺言の重要性についてお話させていただきます。 |
そもそも、遺言は、何のためにするのでしょう?
そして、遺言は、誰のためにするのでしょう?
そのお話の前に、遺言する理由・遺言しない理由を以下にまとめてみましたので、まずは、ご覧ください。
誰のため | 遺言で実現したいことは… |
自分 | 自分の思い通りにしたい |
家族 | 遺産分けのトラブルを避け、家族を守りたい 家族に面倒をかけたくないので、遺言で相続手続の手間を省きたい |
それ以外 | お世話になった方にお礼をしたい |
次に、遺言しない理由です。
自分が死んだあとは、残った家族が好きにしたらいい、自分はとやかく言うつもりはない |
家族仲がいいので、もめるはずもなく、必要ない |
大した財産がないので、わざわざ遺言するまでもない |
まだまだ若いし元気だから、遺言なんて、もっと後でいいだろう |
では、遺言する理由から、順番に見ていきましょう。 |
自分の思い通りにしたい
自分が亡くなった後、自分の財産などを思い通りに分配したいのであれば、遺言をしておくべきです。
遺言がなければ、法定相続分を基本にして、相続人の話し合いで遺産の分け方を決めることになります。
遺産分けのトラブルを避け、家族を守りたい
相続に関するトラブルは、その多くが、相続開始後の遺産分けの場面で起こっています。「まさか、仲の良いうちの家族にかぎって、遺産争いなど起こるはずがない…」と楽観を決め込むのは自由ですが、あなたの死後でも、あなたの家族がそうはならないと、本当に言い切れるでしょうか?
どんなに仲の良い家族でも、つまならいことをきっかけにして感情的なもつれが生じた結果、悲惨な争いに発展する可能性は十分にあります。それも、自分を正当化し、相手を非難するために、相続には関係のない過去の話まで持ち出した挙句、売り言葉に買い言葉の応酬となり…その結果、どうにも修復できないほど関係が悪化してしまうことも珍しくありません。
ですから、最悪の事態も想定して、もめごとの芽をあらかじめ摘み取っておくのが望ましいのです。こういったちょっとした気遣いで、無用な争いを未然に防ぐことができるのです。
「お父さん、わざわざ遺言書いてくれたけど、あまり役に立たなかったね。」そう言われるくらいで、ちょうど良いのではないでしょうか。
家族に面倒をかけたくないので、相続手続の手間を省きたい
遺言書を残すことで、相続手続きにかかる手間・時間が大幅に軽減されます。
ご家族など相続人になるであろう方が、仕事で忙しい・病気のためいろいろな手続きで動き回るのが難しいといった場合には、特に重要です。
お世話になった方にお礼をしたい
法律上の相続人以外の人には、きちんとした遺言書を残しておかないと、あなたの希望通りに財産を渡すことはできません。
この中には、内縁関係の夫婦(社会的には夫婦として生活しているが、法律上は婚姻関係にない、つまり、婚姻届を出していない夫婦)も含まれますのでご注意ください。
次に、遺言しない理由を見ていきましょう。 |
自分が死んだあとは、残った家族が好きにやってくれたらいい、自分はとやかく言うつもりはない
家族仲がいいので、もめるはずもなく、必要ない
上記、「遺産分けのトラブルを避け、家族を守りたい」を参照。
大した財産もないので、わざわざ遺言するまでもない
現実には、遺産相続の際にもめるかもめないかは、遺産が多いか少ないかとはそれほど関係ないのです。
むしろ、遺産分割のもめ事は、遺産がそれほど多くない場合や、自宅不動産のみである場合に、財産をきっちりと分けることが難しいことから、かえって遺産の分け方をめぐって争いに発展しかねないのです。
こういった意味から、資産家ではないから大丈夫という思い込みは、要注意です。
まだまだ若いし元気だから、遺言なんて、もっと後でいいだろう
「遺言くらい、書こうと思えばいつでも書ける。」と思っておられませんか?
現実に「急いで遺言を書かなければ…」という状況になったときには、すでに遅かったというケースが多いのです。
体も健康で、気力も充分あるうちに、きちんとした遺言を書くべきです。
「そのうち」書こう、とお考えなら、「今すぐ」をお勧めします。
以上、遺言は、何のため・誰のためにするのかといった視点から見て参りました。 多くの方にとっては、「大切な家族を無用なトラブルから守るため」これが、遺言の最大の意義といえるのではないでしょうか。 きちんとした遺言を残すことは、保険に入るのと同じくらい大切なことだとご理解頂けたと思います。 |
しかし、遺言さえ残せばいいというものではありません。せっかく遺言書を書いても、財産の中身が正確でなければ混乱のもとになるでしょうし、また、残された家族のことを考えない内容であるならば、かえって争いの火種になってしまいます。
ですから、家族のために正しい遺言・いい遺言を書くには、まず、家族に対する愛情・理解が必要です。
そして、これを遺言としてうまく機能させるために、遺言に関する知識・知恵といったものが必要になってきます。
当事務所では、「お客様にとって、本当に良い遺言とは何か。」ということを常に意識しつつ、丁寧なヒアリングを行い、法的なアドバイスのみならず、お客様のお気持ちができるだけ遺族の方に伝わるような知恵とともに、オーダーメードの遺言サポートサービスを提供させて頂きます。
無料相談も行っておりますので、是非ご利用ください。
→●遺言のメリット
→●遺言に関する誤解
→●遺言の必要度診断