任意後見を利用するには…任意後見契約書について
任意後見を利用するには、任意後見契約を結ぶ必要があります。
そして、この任意後見契約は、「任意後見契約に関する法律」により、必ず公正証書で締結しなければならないことになっています。 |
公正証書をつくるには、任意後見の当事者双方が公証役場へ行く必要があります。
そして、公正証書が完成すると、公証役場から法務局に契約内容が通知され、登記されます。登記されることによって、将来、任意後見契約の効力が発生した後、任意後見人に代理権があることの証明ができるようになります。
ここで、重要なお話があります。それは、これまでお話してきた、任意後見契約書は、財産管理等の委任契約書とセットにすることで、その威力を発揮するということです。
どういうことか、説明いたしますと…
まず、財産管理等の委任契約しか結んでいない場合、将来、本人の判断能力が低下したときに法定後見を利用しなければならず、手続きのために数か月から半年の時間がかかってしまいます。
一方、任意後見契約しか結んでいない場合、本人の判断能力が低下してから任意後見がスタートするまでの数か月の間、本人の財産管理や療養看護が不十分になる可能性があります。
このように、どちらか一方のみでは不都合が生じます。
この不都合は、財産管理等の委任契約と任意後見契約を同時に行うことによって、移行期の穴をなくすことで解消することができるのです。