労働保険手続き・雇用保険手続きは
労働保険(労災保険・雇用保険)について解説します。 |
従業員を1人でも雇い入れると、労働保険の手続きが必要となります。
労働保険は雇用保険と労災保険にわかれます。雇用保険の加入には条件があり、要件を満たす人のみを加入させればよいものですが、労働保険はそうはいきません。
アルバイトを一人でも雇い入れれば労災保険の手続きが必要となります。
保険と名がつくので、「いやぁ~従業員の子に聞いてみないと」といわれる社長さんがおられますが、これは大きな勘違いです。
労働保険(雇用保険と労災保険)は要件を満たせば必然的に加入の義務が生じます。つまり、従業員の意志とは無関係となり、加入させるのは社長さんの役目です。
雇用保険は失業した時や育児休業を取得した時、介護休業を取得した時に給付が受けられる労働者にとっては非常に大切なものです。またコロナ禍においては事業所にも雇用調整助成金という恩恵をもたらします。
労災保険とは、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷・疾病・障害又は死亡に対して労働者やその遺族のために、必要な保険給付をが行われる制度です。また、労災保険においては保険給付のほかに、労働福祉事業が行われています。
たとえば、従業員の人が仕事中や通勤途中にケガをした場合に療養費の支給、ケガをして働けない間の休業補償、ケガをして障害が残った時の障害給付、万一の時の遺族給付などに使われる大切なものです。
労働保険は保険成立してから10日以内に手続きをする必要があります。そして年度末までの保険料を申告して50日以内に払い込む必要があります。
以降は毎年保険料の概算納付と清算を年に1回繰り返すことになります。(労働保険料の年度更新)
労働保険の手続きが遅れると、それだけ労働者の方や会社自体にも負担がかかります。出来るだけ早めに手続きをするようにしましょう。
また度々労災隠しという言葉を耳にしますが、労災は隠してもいいことはありません。また自動車の保険のように使ったからと言って等級が上がるわけでもありません。正しく手続きをして、労働者の保護に役立ててください。
当事務所ではこれら労災給付のお手続きの代行も致します。
雇用保険の加入
雇用保険への加入条件は、原則「31日以上雇用される見込みがあり、所定労働時間が週20時間以上」となっており、これに該当する従業員はパートやアルバイトの立場であっても全員加入させなければなりません。
また、もともと勤務時間が週20時間よりも短い従業員でも、週に20時間以上働くことになった場合には加入手続きが必要になります。
最近は定年後の雇用拡大が広がり、これまで対象とされなかった65歳以上の従業員についても、「高年齢被保険者」として雇用保険の適用対象になっています。
この場合の適用要件も上記の原則を満たすことが求められ、65歳以上の人を新たに雇い入れる際にも手続きが必要となります。