老後の安心のためには… プラスアルファの遺言相続
遺言することは、とても大切なことです。
しかし、きちんとした遺言書を書いたとしても、 安心するのはまだ早いのです。 なぜなら、遺言書を残しても、高齢期の問題は解決しないからです。 それは、どういうことか、ご説明いたします。 |
そもそも、遺言書は、遺言した本人が亡くなって初めてその威力を発揮するものなのです。
別の言い方をすると、今この時から亡くなる瞬間までに起こりうるあらゆる事態に対して、遺言書はまったく無力なのです。
ですから、自分自身のためという意味で言えば、むしろ生きている間の備え、老後生活の安心のほうが大切だと言えます。
将来、予想される事態を次のような段階別の表にしましたので、ご参考下さい。
心身ともに健康 | ||||||
↓ | ||||||
体が不自由になる(寝たきり) | = | ケースⅠ | ||||
↓ | ||||||
判断能力が低下する(呆ける) | = | ケースⅡ | ||||
↓ | ||||||
脳死状態になる | = | ケースⅢ | ||||
↓ | ||||||
死亡=相続開始 |
例えば、上の表のように、
・足腰が不自由になり、寝たきりになってしまった(ケースⅠ)
・認知症で判断能力が低下して,家族の顔もわからなくなってしまった(ケースⅡ)
・事故や病気で脳死状態になってしまった(ケースⅢ)
といった状態のとき、
・悪徳業者に財産をだまし取られる
・自分で財産の管理ができないため、身内に勝手に財産を使い込まれる
・自分自身で財産を浪費してしまう
・治療や介護を受けるべきなのに、自分自身では手続きもできず、放っておかれる
・自分で決められるのなら望まないであろう延命治療を施される
などのトラブルないしは不都合が発生する可能性があります。
そこで、あらかじめ、それぞれの場面ごとに有効な書類を作っておくことで、これらの問題に対処することができるのです。