相続の落とし穴① 子供がいない場合の相続
上の図は、「子供のいない夫婦」の 夫が亡くなったケースです。
夫が亡くなった場合、残された妻とともに、亡くなった夫の兄弟姉妹が相続人となります(夫の父母が存命の場合は父母が相続人ですが、こちらは稀なケースですので、兄弟姉妹が相続人になるケースで説明を続けます。)
よって、残された妻は、夫の遺産の全てを当然には相続することができません。銀行の解約、住んでいる不動産の名義変更にはすべて、夫の兄弟の押印が必要となるのです。
今はともかく、ひと昔前の昭和の時代には兄弟の数が7人8人というところは珍しくはありませんでした。お子さんのおられないご夫婦で片方が亡くなられた場合、亡くなられた方のご兄弟すべてから押印いただかなければ、残された方が銀行の口座を解約し、生活資金を得ることも、家の名義を変えることもできないのです。
7人も8人ものご兄弟に面識があればよいのですが、名前こそ知っているものの、もう付き合いがないということもよくあります。
年賀状のやり取りさえなくなってしまって、兄弟がどこにいるのかさえわからない。そんなことはよくあります。
それどころか、兄弟姉妹が今も全員ご健在であればまだ良いのですが、すでにお亡くなりになっており、相続が発生している場合、どうなるのでしょうか?
果たして大丈夫?
見も知らぬ夫の兄弟の、そのまた子供たちに押印を求める。果たしてこれはどこまで可能でしょうか?
残された奥様はお年を召しておられることがほとんどです。その妻が、夫の見知らぬ兄弟姉妹、はたまたその相続人たちから印鑑を集め、銀行の解約手続きを進める。
そんなことが出来るでしょうか?
子供のいない夫婦が相続で困らないためには?
これまで見てきたように、子供のいない夫婦に相続が起こった場合、
・兄弟の数が多くても全員分が必要
・兄弟に相続が発生していればその相続人全員から押印が必要
こんな厄介なことが起きてしまいます。
しかしながら、事前に対策をしておくことで、お子様がおられないご夫婦の相続手続きをスムーズに進めることができます。
お早めにご相談ください。