ひきこもりの子を抱えるご家族の相続対策
こちらは、ご家族に引きこもりの方がおられる場合の相続対策に関するご相談のページです。
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ひきこもりとは、「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」のことを指します。
ひきこもりは単に怠けているというわけではなく、様々な要因が背景になって生じます。統合失調症、気分障害、不安障害、発達障害、神経障害などの精神疾患が原因になることがあれば、退職したこと、人間関係がうまくいかなかったこと、職場になじめなかったことなど社会的なストレスが原因になることもあります。
平成30年に行われた内閣府の調査によると、全国の万40歳から万64歳までの人口のおおよそ1.45%である、61.3万人が引きこもり状態にあることがわかりました。このうち男性の割合が76.6%、女性の割合が23.4%と、男性のひきこもり群の割合が高いことがわかりました。
なお、ひきこもりになってからの期間が7年以上経過している割合が全体の5割を占めており、ひきこもりは長期化することがうかがえます。
社会問題としてのひきこもり
昨今ではひきこもりは8050問題として社会問題となっています。8050問題とは、80代の親がひきこもっている50代の子どもの生活の面倒を見ている状態をさします。
引きこもりという言葉が出始めた当初は引きこもりと言えば、若者の問題とされていましたが、現在ではひきこもり当事者が徐々に高齢化して50代、その親が80代となってしまっています。また現在では引きこもりに至る年齢は世代間に大きな偏りはなく、すべての年代で見られる現象となっています。
またひきこもり問題は8050だけにとどまらず、9060問題に発展するかもしれないと言われています。
これはひきこもり当事者が60代、その親が90代となることを表します。8050,9060、問題は以下のようなトラブルを引き起こすと考えられます。
・孤立死
・無理心中の増加
・親の死体遺棄の発生
・親の年金・生活保護費の不正受給
・生活保護費の受給増加
行政施策
厚生労働省でも、9060問題が本格化することを懸念されており、精神保健福祉分野、児童福祉分野、ニート対策においてひきこもりに関する各種の事業が行われています。「ひきこもり地域支援センター」の設置や、「ひきこもり専用の相談窓口」の設置がその例です。
令和4年1月14日(金)に、ひきこもりに関する情報をまとめたひきこもり支援ポータルサイト「ひきこもりVOICE STATION」も開設されました。
奈良県のひきこもりの現状
(自治体によるひきこもり状態にある方の実態等に係る調査結果(令和2年5月時点)より)
奈良県で県内に平成2年6月~8月に居住する15歳から34歳の2000人を対象に行われた標本調査(有効回収数953人)では外出状況を尋ねた設問において、以下のいずれかの回答をした者【ひきこもり群】の出現率が1.4%(標本調査の有効回収数に占める標本調査による該当者数の割合)であることがわかりました。
・「自室からほとんど出ない」
・「自室からは出るが、家からは出ない」
・「ふだんは家にいるが、近所のコンビニなどには出かける」
・「ふだんは家にいるが、自分の趣味に関する用事のときだけ外出する」
※ただし、主婦、妊婦、自宅で仕事をしている者及び失業後6か月以内と回答した者、並びに明らかな虚偽回答を除く
また、以下の項目に対し、①すべて「はい」と回答した者、②3つ「はい」で一つのみ「どちらかといえばはい」と回答した者から、「ひきこもり群」の該当者を除いた【ひきこもり親和群】の出現率は6.4%(標本調査の有効回収数に占める標本調査による該当者数の割合)となっていることがわかりました。
・「家や自室に閉じこもっていて外に出ない人たちの気持ちが分かる」
・「自分も、家や自室に閉じこもりたいと思うことがある」
・「嫌な出来事があると、外に出たくなくなる」
・「理由があるなら家や自室に閉じこもるのも仕方がないと思う」
以上が引きこもりの状況です。
当事務所でのサポート
全国的にひきこもりの方、そのご家族に対して支援の輪が広がり、様々な施策が施されてはいますが、それはあくまで施策であり、そこですべてが解決荒れるわけではありません。
実際これをお読みいただいているご家族の方も、実際ひきこもり当事者(お子さんなど)の今後を心配されていることだと推察いたします。
支援の輪によって引きこもり状態が解消され、ひきこもり当事者が社会生活を営めるようになればもちろんいうことはありませんが、もしもそうならなかった場合、あるいはそうなるまでの間、ひきこもり当事者の生活がご心配なところではないでしょうか。
親御さんもご高齢になられ、親御さん亡き後のことが、ご心配であろうことはいうまでもありません。
当事務所はひきこもりの支援センターではありませんが、引きこもり当事者を抱えるご家族のための、今後の生活のための財産移転のサポートを行います。
具体的には
を行います。遺言等を書いておかれても、ひきこもりの当事者では手続等に行けない可能性もございます。
そんな場合でも当事務所にて対応をさせていただきますので、まずはお気軽にお問合せください。